本校は1978年開校し、仮図書館として当初普通教室1階にあった。3年後全校舎が完成し特別棟3階の本来の図書館の場所に移転。10年後新たに完成した新館2階の新たな図書館に移転し、20年後、完成したアリーナの多目的棟2階に3度目の移転をし、11年目になる。
図書館は開校以来、自校発行物の収集に力を入れている。10年ごとの学校の記念誌発行や過去の行事などを確認したい担当の職員の要望に応じ、資料を提供している。併せて柏市の郷土資料を中心とした東葛飾地域や県内の各市のパンフレット収集も行っている。学年の校外HRや他校からの授業での地域資料が必要な際に貸し出している。
2011年10月からは、図書委員会の文化祭発表をきっかけに災害関係の資料収集や展示に力を入れている。毎年図書委員会は文化祭に参加し、テーマを決めそれにそった見学・講演会・聞き取り調査などを行い発表している。2011年は、「新聞から見た東日本大震災」というテーマで、各新聞の見出しの比較・震災後の広告・風評被害・生徒へのアンケート・柏市や近隣市の被害状況調査・被災地に行った職員や生徒の座談会の記録などをまとめた。追悼の意味を込め全図書委員で鶴を折り、1,350羽で東日本大震災の文字を形どり垂れ幕を作成し(文化祭では3回目の垂れ幕賞を受賞し)た。
文化祭後図書館は移転し、この未曽有の災害を忘れないよう、図書館に入ってすぐの柱に垂れ幕を飾り、東日本大震災関係の資料を展示した。その際、配架してあった1923年の関東大震災・1988年のアルメニア地震・1995年の阪神大震災・2005年の新潟県中越地震や地学の地震関係図書や防災関係の資料や関連雑誌などを一か所に集めた。併せて文化祭の発表資料冊子「東日本大震災マグニチュード9.0 その1~2」や5年後に新たに調べた「東日本大震災その後」を展示している。2011年以降の災害関係の資料も随時追加している。
図書館は資料を収集し保存していく機関である。図書館に来れば資料を手に取れるよう、記憶を風化しないよう、大切に展示していきたい。なお、見学したつながりで2017年の秋、防災専門図書館に文化祭で作成した資料を寄贈したところ、図書館総合展で防災科学技術研究所が主催する「「防災アーカイブ構築のノウハウ」~アーカイブの継承を考える~」の分科会で、高校生による素晴らしい継承の活動として紹介され、また、同展の「災害資料アーカイブの連携~図書館の収集する災害資料が、ヒト・モノ・コトを次の災害から守る~」と題したブースで冊子の紹介や、文化祭での発表の様子を写真展示してくださり、多くの図書館業界の方々に見ていただく機会をいただいた。
2011年3月11日を1回目とすると、11回目の3月11日の今日、図書館の使命を新たに思う。
(文責・司書 西野)