12月23日(金)1年生希望生徒20名を対象に、「公益財団法人かずさDNA研究所」による「バイオインフォマティクス実習」が行われました。
「バイオ=生物、インフォマティクス=情報科学」とあるように、この学問は、計算機科学の技術を応用して生物学の問題を解こうとする学問です。生物の遺伝情報は、DNAの中にある大量の「A、T、G、C」の4文字の塩基の並びにより暗号化されています。しかし、DNAすべてがからだをつくるための遺伝子の情報として使われるわけではなく、一部分が機能物質であるタンパク質をつくるための情報として使われています。
生物種によっては何百万~何十億もある塩基のどこに遺伝子があるのか、ほかの生物と似たような配列は存在するのか、生徒たちはパソコンの画面の向こうにある様々な生物の生命の設計図をのぞき、情報科学的な解析を通して生命の不思議を実感してもらいました。 インターネットを利用して、世界の研究機関が蓄積してきた生命科学データとデータ解析ツールを駆使しながら、ある生物のゲノムから遺伝子として利用される配列を探したり、ヒトと他の生物との類似した遺伝子の配列を探したりしました。
この実習の中で、生物と情報科学の結びつきを知り、さらに「新型コロナウイルス」の変異の変遷も見ることができました。 短い時間の中でしたが非常に興味深い内容ばかりで、「お米と人間の遺伝子のある部分が60%も同じであると聞いて興味深かった」「DNAの似ているものを探すことで、医学などの様々な分野に生かせると思った」といった声があがり、来年度以降に学習する「生物」への強い興味・関心につながったのではないかと思います。
~生徒の感想~
・とても難しく感じる内容だったが、生物の授業で習ったことについてより深く知ることができ、生物により興味がわいた。今まで生物と情報とのつながりはあまり感じていなかったが、自分で実践してみることで深い関わりがあることに気づいた。
・藍藻の設計図分厚くてびっくりした。コロナに関して興味があったので、講座を受けることができてよかった。
・最初は進化を辿るのか、くらいしか想像していなかったが、治療薬や病気の回復方法にまで研究に関わっているのは知らなかった。コロナウイルスに、より関心を持てるようになれた。
・パソコンがあるだけでたくさんの情報を得ることができることに驚いた。生物の勉強をした後にまたみてみたいと思った。
・レベルの高い講座で、興味深い内容だったものの、自分の頭には理解し難いものがあった。だが、最後の新型コロナウイルスの変異株別の変化や、インターネットサイトでのコロナウイルスの分布や、SARS、MARSの起源にも触れられて、タイムリーな話題にも触れられる分野なんだと思った。
・今回の講座で、私たちの身近な情報が、かずさDNA研究所さま含め世界中の数えきれないほどの研究者の方々の努力によって積み重なったものだと再認識できました。さまざまな研究者の方々に感謝をして、私もこれからたくさんのことを学んでいこうと思います。素敵な講座をありがとうございました。





