12月19日(金)、「SNSとの付き合い方」をテーマに、第4回デジタル・シティズンシップ教室を開催しました。全校生徒が、これまでの家庭でのSNS利用における失敗談や成功体験を共有し、目前に迫った冬休みに向けた決意を熱心に語り合いました。
1. 共有された「SNSの罠」と失敗の教訓
話合いでは、多くの生徒がSNS利用における切実な失敗談を明かしました。
• 生活習慣の乱れ: 「夜中の4時まで見てしまい寝不足になった」「気づいたら朝になっていた」といった、ショート動画の視聴が止まらないことによる睡眠不足が多数報告されました。
• 学力への影響: 5分だけ見るつもりが数時間経過し、学習時間が減った結果、テストの順位が下がってしまったという反省が目立ちました。
• 対人トラブルとリスク: 知らない人からのDM(ダイレクトメッセージ)に応答してしまい怪しい勧誘を受けたり、LINEグループ内での発言が原因で喧嘩になったりするなど、安全性やコミュニケーションの難しさに直面した事例も共有されました。
2. デジタルを味方につける:生徒たちの成功術
失敗を糧に、デジタルツールを賢く使いこなしている事例も数多く紹介されました。
• 「ご褒美」と「制限」の活用: 「10時間勉強した後のご褒美として使う」ことでモチベーションを維持し、成績向上に繋げた生徒がいます。また、テスト前にアプリを削除(アンインストール)することで、集中力を高めて点数を2倍に上げたという驚きの成功例も報告されました。
• 学習ツールへの転換: 勉強時間を計測するアプリでやる気を出したり、AIやYouTubeの解説動画を活用して理解を深めたりと、スマホを学習の武器として活用する姿が見られました。
• 物理的な環境づくり: 集中したい時はスマホを「別の部屋に置く」「親に預ける」といった物理的な距離を置く工夫が、自制心を保つ上で非常に有効であると再確認されました。
3. 冬休みに向けた「自分との約束」
長期休暇を前に、生徒たちは自分自身の時間をデザインするための具体的な決意を固めました。
• 具体的な数値目標: 「利用時間を1日30分〜2時間以内に収める」といった具体的な時間制限を設ける声が多く上がりました。
• 生活リズムの死守: 「就寝30分前にはスマホをやめる」「22時半には寝る」など、睡眠の質を確保し生活リズムを崩さないことを誓い合いました。
• 受験生としての覚悟: 特に3年生からは、受験が正念場であることから「スマホを封印する」「塾の預かりボックスを活用する」といった、より厳格な自己管理を志す決意が示されました。
今回の活動を通じて、生徒たちはSNSが持つ「依存性」や「リスク」を改めて客観的に捉え直しました。デジタル・シティズンシップとは、単にスマホを禁止することではなく、責任と倫理観を持ってツールを使いこなす能力のことです。
生徒たちにとってスマートフォンは、「研ぎ澄まされた両刃の剣」のような存在です。そのまま振り回せば自分を傷つけてしまいますが、自ら設けた「ルール」という鞘に収め、正しい「目的」を持って手入れをすることで、自らの世界を広げる強力な武器に変えていくことができるはずです。この冬休み、一人ひとりが「賢い使い手」として成長することを期待しています。