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神奈川県立図書館、神奈川県立川崎図書館の機能集約、廃止等の検討について

 新聞報道やカレントアウェアネス・ポータルによると、神奈川県は神奈川県立図書館、神奈川県立川崎図書館の機能集約、廃止等の検討を開始しているとのことです。その中では、県立図書館の閲覧・貸し出しサービスの廃止、県立川崎図書館の廃館と蔵書の県立図書館への移管などが検討されているとあり、大きな衝撃が広がりました。

 神奈川県立川崎図書館は科学・技術に特化した全国唯一の公共図書館であり、「社史コレクション」「学協会誌・技報・講演論文集」「特許・規格」等ユニークな蔵書構成と事業展開で、神奈川県の「ものづくり」を積極的に支援してきた図書館です。この図書館が廃館となり、資料が閲覧も貸出もされないとなれば、豊富な科学技術情報が無駄に死蔵されることになってしまいます。仮に市町村立図書館経由での閲覧・貸出が可能だとしても、これまでのように、科学技術情報を多面的・複合的に利用することは難しくなり、研究活動にも支障をきたします。
 神奈川県資料室研究会は、51年前の創立当初から、県立川崎図書館と密接に連携して活動を行ってまいりました。今回の検討の結果によっては、当会の活動にも、県内企業の研究活動にも大きな影響が生じることを危惧しています。当会としては、神奈川県立川崎図書館との連携を維持し、活動を続けていくためにも、今回の検討に対して積極的に発言をしてまいります。

2012年11月22日
神奈川県資料室研究会
 

県知事と県教育委員会委員長宛に要望書を提出しました

 この問題について、当会では3月22日、県教育局生涯学習課長を通じて県知事と教育委員会委員長宛に要望書を提出しました。
 当初は当局から廃止・統合も視野に入れた提案がなされていましたが、2月21日の県議会では川崎図書館について「企業支援につながる機能を高度化・特化して川崎市内に残す」と答弁され、3月11日の議会では京浜臨海部の殿町地区への移転を検討していることがわかりました。
 川崎図書館は存続する方向で検討が進んでいくようですが、今後とも魅力的で役に立つ図書館であってほしいと願い、神資研としてこれからもこの問題を注視していきます。

(写真は平野会長(左)と福地生涯学習課長)


◇◇◇要望の内容◇◇◇

1.川崎図書館の持つ科学技術情報とコレクションの維持と一層の充実を求めます。
2.川崎図書館の持つ産業支援・ビジネス支援機能の維持と一層の充実を求めます。
3.神資研をはじめ県内の各種機関との連携の中心としての機能の維持と一層の充実を求めます。
4.企業活動の支援に繋がる機能に高度化特化するに当たって、個人の利用を排除しないこと
求めます。
5.神奈川県と川崎市とが十分協議し、川崎図書館の検討を進めることを求めます。
6.「緊急財政対策」としての「県立図書館・県立川崎図書館の検討」にあたっては、その検討過程を開示し、県民・利用者の声を聞き、反映させることを求めます。

要望書の全文はこちら(PDFファイル/1,818kb)


 

 

アンケート結果を提出しました

 当会ではこの問題について広く多くの方の意見を伺おうと、11月20日から22日までパシフィコ横浜で開催された「図書館総合展」の会場で、アンケート調査を行い、250名を超える方々から貴重なご意見をいただきました。2月1日、このアンケート結果をまとめたものを神奈川県教育委員会に提出いたしました。
 アンケートの回答は「貸出も閲覧もできないのでは、図書館とは言えない」「機能縮小と廃止は、学術・社会活動の将来に鑑みて大きな損失である」「専門書に精通した職員の方のレファレンスサービスを受けられることが重要」等、そのほとんどが方針に反対する熱い思いのこもったものとなっています。
 神資研としてはこれからもこの問題を注視し、意見を神奈川県に対して伝えていこうと思っております。
  アンケート結果(PDFファイル/876kb)
 

県立の図書館集約問題についてさらに知るために

●集約問題に関する報道について、リンクが切れたURLを削除しました。

 県立図書館「廃止」を問う (1)~(10) (神奈川新聞 2013/1/29~2/8)をはじめ、
 過去の掲載一覧をまとめてご覧になるには、次のファイルをご利用ください。

  図書館集約問題新聞記事一覧(Excel 20KB).xlsx

●神奈川県立の図書館のホームページ上では、県議会での知事・教育長の答弁をご紹介するとともにご意見を募集しました。