新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。新聞の紙面も、テレビのニュースでもアナウンサーの一言目は「新型コロナウイルス」から始まるのが当たり前になってしまいました。本校でも複数の陽性者が出たため、12月7日から17日まで11日間の臨時休校となり、期末考査、答案返却、行事等の大幅な見直しを行いました。マチコミメールで流れる情報に皆さんが一喜一憂しながら自宅待機を続けていた頃、学校では病状の確認、家庭連絡、PCR検査、保健所対応、校内の消毒、行事の調整など先生方は様々な対応に追われていました。本当に長く重い日々でしたが、先生方が一丸となって力を尽くしてくださったお陰で、やっと学校再開に漕ぎつけることができたのです。
この2学期、コロナ禍中にあっても野田中央では果敢に様々な行事に取り組みました。コロナ対策を第一としたため例年通りにはゆかず、多くの制限・制約が設けられはしましたが、安全に配慮し工夫を凝らしながら星央祭文化の部・体育の部、長距離徒歩、学年ごとの校外学習などが一応無事に実施できました。これは皆さんが一致団結して頑張ったから、そして先生方の熱い御支援があったからこそと思います。近隣の学校ではほとんどの行事が中止となっていたようですが、ここに野田中央高校の、「ノチュウ」の底力を見たという気がしました。
マスクの着用は今や世の中の常識となっています。登下校は言うに及ばす授業中もマスクが手放せない状態ではあるものの、ペアワークやグループワークを取り入れた授業もあり、家庭科ではエプロンづくりや調理実習も始まっていて、皆さんが生き生きと楽しそうに取り組む様子をこの2学期何度も垣間見ることができました。また、1学期は厳しい状況だった部活動も、新人戦への参加、県大会への進出、土日に他校との練習試合など少しずつ軌道に乗ってきたところでした。
しかしながら、寒波の到来とともに世界的規模で感染状況の悪化が続き、国内でも「第3波」と言われる厳しい事態がやってきました。感染者数、重症患者の方が再び増加という報道が連日なされ、特に12月半ばの市立船橋高校でのクラスター発生を受け、部活動の活動等についても細心の注意を図らなければならないところです。
市立船橋高校では大勢の生徒たちがPCR検査を受けたそうですが、本校においても今回の臨時休校期間中に濃厚接触者・関係者として多くの皆さんにPCR検査を受けてもらいました。検査の結果が出るまで、「もしも陽性だったら…」とさぞかし気を揉んだことでしょう。辛い思いをさせてしまってごめんなさい。でも陽性となってしまった人はもっともっと本当に大変な思いをしているのです。
陽性が判明した場合、重症の場合はもちろん入院ですが、症状が無くてもホテルなどに隔離となったり、一定期間の自宅療養が必要です。感染性が強いことから御家族の苦労は並大抵のことではありません。もしも身内に御高齢の方や基礎疾患のある方がいたら、そういう方たちは重症化し、命まで奪われてしまう危険性があると言われています。また医療関係や介護関係の職場で働いている御家族は仕事に出ることも厳しくなってしまうのです。
今こそ学校を挙げてコロナと戦うときがきました。コロナにかからない、コロナを広げないために大切なのはマスクです。このマスクを外してしまうときがコロナが感染するデンジャーゾーン(危険地帯)なのです。人との会話、人と話をするときは、絶対にマスクを忘れないこと、そして手洗い、消毒、ソーシャルディスタンス、室内の換気に留意するという基本を着実に守りましょう。今回の件を受けて各教室その他の場所に消毒液の自動ディスペンサーを設置していただきましたので、十分に活用してください。
また、寒い冬は風邪やインフルエンザの流行する時期でもあります。発熱を把握するために検温をこまめに行ってください。もしも熱が出たら、症状を見極めお家の人と相談して適切に対処する必要があります。この冬休み、まずは自分で自分の健康をしっかりと守ること、家族や友達のためにも感染症対策の基本を徹底してください。年末年始の休みを迎え気持ちが緩みがちになるかもしれませんが、開放感からはめをはずした行動をとると必ずつけがまわってきます。雑踏の中、人込みは危険です。外出はくれぐれも慎重に。
それでも体調が悪くなり、もしもPCR検査を受けることになったら、そのときは必ず担任の先生、部活の顧問の先生などに連絡してください。学校では皆さん全員の健康と安全を見守る義務があるからです。心配しないで必ず相談してください。
最後に、私から皆さんに1つだけ宿題を出したいと思います。この冬休みはお家で過ごす時間が長くなるのではないでしょうか。そんなとき、ぜひ本を読んでください。お勧めは皆さん方と同じような若者が主人公となっている小説です。活字で描かれた世界を縦横無尽に想像し頭の中で映像化する、主人公の生き方と自分とを重ね合わせるなど、読書によって引き起こされる能動的行為は頭脳を活性化させます。「素敵な小説と出会って、1冊以上読むこと。」これが私からの宿題です。3学期の始業式のとき確認させていただきますので、そのつもりで。
来たる2021年、令和3年が「コロナを乗り越えられる一年」となるよう心から祈っております。