2週間の冬休みが終わりました。昨年は日本中いいえ全世界が新型コロナウイルスの感染拡大に巻き込まれる未曽有の事態となり、年末から年明けにかけても非常に厳しい状況が続いています。昨日の国内の感染者数は6000人を越え、東京都は1591人、千葉県内でも過去最多となる311人の感染が判明しました。首都圏である一都三県、東京、神奈川、埼玉、そして千葉に再度の緊急事態宣言が発令されようとしています。我々もこれまで以上の緊張感をもってコロナと向き合わなければなりません。
今後の先行きはまだまだ不透明ですが、ワクチンや新薬の研究開発も急ピッチで進められています。少しでも状況が改善し、今年の夏に延期された東京五輪(オリンピック)・パラリンピックが無事開催されることを心から祈っております。
さて、2学期同様放送による始業式となりましたが、この冬休みの間大きな事故もなく、皆さんが元気な姿で登校して来る様子を見てほっとしています。昨日も今朝も、大勢の皆さんから「おはようございます」と新年最初の「こ挨拶」をいただきました。寒くてマスクで覆われているこの時期だからこそ、元気のお裾分けである「こ挨拶」(→心をこめた挨拶)をしっかりと行いましょう。
12月の終業式で私が皆さんに出した宿題を覚えていますか。「一冊以上本を読む」というささやかなものです。もしも体育館で始業式ができたならば皆さん全員に手を挙げてもらい、何冊読んだか、一等賞は誰かを確認するつもりでおりました。今から各教室で担任の先生にやっていただいてもよいのですが、御負担をかけることになるので諦めます。(ちなみに私は7.5冊で一冊はまだ読みかけです。)
以前お話ししましたが私の専門教科は国語です。国語の教員として、やはり私は皆さんに本を読む人、まとまった分量の活字が読める大人になってもらいたいと考えています。なぜなら読解力は全ての教科の土台であり、社会で生活する力そのものと言えるからです。そして、良い本との出会いは生きるエネルギーをチャージしてくれる、人生を豊かにしてくれるものだと思っているからです。
12月の臨時休校はコロナによる集団感染(クラスター)が発生したためでした。危険性があるのはマスクなしの会話、すなわちお昼時です。ご飯を食べるためにマスクを外す、食べながらのおしゃべりは皆さんが一番楽しみにしているひとときかもしれませんが、感染防止のために今後は昼休みに20分間の沈黙の時間(サイレントタイム・ステイデスク)を設けることになりました。早く食べ終わってしまったとき、わずかな時間ではありますが、その時間を読書の時間に当てていただいても結構です。
私は教育関係の役所で通算9年ほど働きましたが、県庁も市役所でも各部署ごとに、何種類もの新聞を取っています。必ず毎日教育関係の記事をピックアップして読み比べてみることが仕事の一つでしたが、新聞社ごとに記事の扱いや切り口にかなり違いがあるということがよくわかります。皆さんはニュースをスマートフォンを使って見ることが多いと思いますが、ネット上に載せられているのはごく限られた断片的な内容ですし、テレビのニュースも局によって見方・視点が異なる場合があります。コロナの関係で社会経済が大きく揺れ動いている今、1つのニュースを鵜呑みにするのではなく、様々な情報を比較分析してそのニュースの真実を掴み、自分なりの見解を持てるようになってほしいのです。
また、読書については集中して主体的に取り組むという行為の大切さは言うまでもありませんが、さらに活字の中から描かれた場面や人々の心情を想像することにより、自分自身のとらえ方や考え方を広げることができます。これは間違いなく思考力を育むことにつながります。読み取る力、考える力、それをもとに自分の意見を表現、発信する力をしっかりと身に付けることが、これからの社会を生き抜くために絶対に必要なものなのだということを抑えておいてください。
最後になりますが、3学期は特別な時期です。1年生の皆さんにとって「3学期は2年生の0学期」です。2年生の皆さんにとっては「3学期は3年生の0学期」です。では3年生はどうなのか、一言でいうなら「プレ大人」、進学も就職も含めて大人として社会に飛び立つための準備期間であり、高校生活の総決算期となるはずです。
3学期は僅か3ケ月、あっという間です。3年生は実質1ケ月もありません。1日1日を大切にしましょう。そのために1時間1時間の授業に全力で取り組んで欲しい、まずは授業で勝負、真剣勝負で各授業に臨んでください。私もできる限り皆さんの頑張っている様子を見に行きたいと思います。この時期の廊下は寒いから、後ろの方でいいから教室に入れてもらうつもりです。
実は校長室の近くにはとっても小さな「マスクの神様」がいます。よかったら会いに来てください。マスクを付けてコロナに負けず、元気に着実にこの3学期を過ごしていきましょう。