つい最近のこととなりますが、車いすテニスプレーヤーの小田凱人選手が、全仏オープンを史上最年少の17歳1か月で優勝を飾り、世界ランキングも同様に最年少で1位となりました。車いすテニスといえば柏市出身の国枝選手が有名ですが、国枝選手の引退と入れ替わるように、生徒諸君と同じ高校生の小田選手が活躍してくれることは、とても嬉しいことです。
小田選手は、輝かしい戦績だけでなく、コート外におけるリーダーシップやスポーツマンシップを体現している選手に贈られる「ITF車いすテニスジュニアオブザイヤー2021」も受賞しています。
彼は凱旋記者会見で次のように言っています。「車いすテニスを始めた7年前から目標や夢は何一つ変わっていない。そのころから自分は世界一になれると思って行動していたし、世界一ならこういう行動、立ち居振る舞いをするだろうと常に想像しながら見よう見まねでやっていた。それが今現実としてあらわれていて、目指していたところにたどり着いた感覚はすごくある」と語りました。
小田選手は9歳の頃に発症した病気が原因で車いす生活を余儀なくされますが、そういった辛い環境にも負けず、自分の可能性を信じ、練習などの技術面での努力だけでなく、自分の可能性に相応しい態度をとることができる、強いメンタリティを獲得でき、それが今回の快挙に繋がったのでしょう。
授業への取り組みや部活動の姿を見ていると、生徒のみなさんにはとてもポテンシャルを感じます。ただ、可能性を可能性のまま眠らせず現実のものとできるかは、どれだけ自分を信じ、それに相応しい行動ができるかにかかっています。小田選手を特別な存在と考えるのではなく、同じ高校生としてみなさんが、ポテンシャルを遺憾なく発揮し、第2の小田選手となれる事を心から期待しています。