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2023/04/07

令和5年度入学式 式辞

| by 職員0501

式辞

 

まさに、新たな生命が随所で躍動し、華やかな出発を祝うこの佳き日に、野田市立北部中学校校長関しのぶ様、PTA会長横森亜紀子様、本校同窓会会長木名瀬訓光(くにみつ)様をはじめ御来賓の皆様の御臨席を賜り、千葉県立野田中央高等学校第十八回入学式を挙行できますことを、心より感謝申し上げます。

 

ただ今、入学を許可した317名の新入生の諸君、入学おめでとう。様々な期待に胸を膨らませているみなさんを、教職員・在校生を代表して、心よりの歓迎をいたします。

 

また、これまでずっとお子様を、暖かく支えて来られた保護者の皆様、このたびの御子様の御入学、誠におめでとうございます。立派に成長された御子様の姿を前に、喜びもひとしおのことと思います。コロナ禍においては、人数を限っての入学式挙行でありましたが、本日こうして、多くの保護者の皆様に見守っていただきながら、お子様の入学を祝えること、私共にとっても何よりの喜びです。

 

さて、新入生諸君。みなさんは今日から「のちゅう」生としてのスタートを切ります。これからの3年間は、今後数十年にも渡るであろう長い人生において、とても大切な期間となります。この期間を如何に過ごすかが、今後の人生に大きな影響を及ぼすわけです。そのことを忘れずに中身が濃く、充実した3年間を過ごしてくれればと思います。

 

そういった人生の大切な節目にあるみなさんに、私から二つの言葉を送りたいと思います。

 

一つ目は、古代中国の魏徴という人が残した言葉です。彼は、「人生意気に感ず、誰かまた功名を論ぜん」という言葉を残しました。人間は、自分と関わる人々の心意気に感じ入って行動するもので、相手の気持ちに、心を強く動かされたのなら、偉くなりたい、などの自分自身の名誉欲など、どうでもよくなる、といった意味です。

魏徴が、自分のことを信じ、重要な役割を与えてくれた主君に対し、感激した時の気持ちを表した言葉とされていますが、彼は主君にとって耳が痛い話でも、正しいと思ったことは、たとえ主君の怒りにふれ、処刑される危険を冒してでも進言したといわれています。このため、彼が仕えた主君の治世は、中国の歴史上最もよく治まった時代とされ、主君は名君として後世の人々からも称えられるようになりました。単に恩義に感じるだけでなく、その人のためになるのであれば、たとえ嫌われても、これを貫く、これこそが「意気に感じる」ということなのでしょう。

 

入学生諸君には、この3年間で、互いに「意気に感じあえる」存在を是非見付けて欲しいと思います。高校時代にできた関係は一生続くといわれています。同級、同期の人に限りません。先輩であったり、後輩であったり、学校外の人でも構いません。高校生活の中で、様々な経験を通じて生まれる人間関係の中で、何か困ったことがあれば、何にも優先して駆けつけてくれ、間違ったことをしていれば、ためらうことなくさとしてくれる、そういう存在を是非、見付けて欲しいのです。SNSのいいねを送りあうことも悪くはないのかもしれませんが、テレビを見ながら片手間にできる「いいね」だけの、表面的なつながりではなく、諸君らのことを、何より大切に思ってくれる深い存在は、諸君らにとって、かけがえのない一生の財産となることでしょう。

 

もう一つの言葉は、「時を守り、場を清め、礼を正す」です。有名な言葉ですから、聞いたことがある人もいるかもしれません。時を守り、とは時間を守ること、つまり時間に遅れない、遅刻をしないということはもちろんですが、大きな視点で考えれば、2年生の後半までに進路を決めるとか、3年生になるまでに資格をとる、など、計画立てて日々をすごしていく、ということです。時間をまもらないということは、人の時間を奪うこと、と、よく言われることも忘れないでください。

 

場を清め、とは掃除をしっかりやろう、身の回りを整えよう、という意味です。整えられた環境の中に身をおく、ということは、例えば集中力が増したり、効率的に物事を進められたり、様々な良い点があります。周囲の人々にとっても、きれいな環境、整った環境は気持ちがいいと思います。学校だけではなく、自宅の机の周りなども含め、きれいな環境を維持できるよう努めて欲しいです。

 

最後の「礼を正す」ですが、辞書で「礼儀」という言葉を調べると「人間関係や、社会生活の秩序を維持するために人が守るべき行動様式」とあります。たとえば、笑顔で挨拶をかわす、電車の中で騒がない、服装や頭髪の決まりを守るなどの、常識やマナー、決まりを守ることを意味しています。

 

これら三つに共通していることは、社会に出ていくうえで必要なもの、ということです。堅苦しいなあ、と思う人もいると思いますが、社会に出ていくことが間近に迫ったみなさんにとっては、きちんと身につけていかなければいけないことです。社会に出てからでも遅くないでしょ、と思うかもしれませんが、自分の価値観が次第に出来上がっていく高校生の時期に身についたものは、そうやすやすと変わらない、ということを覚えておいて欲しいと思います。

 

以上、私が述べた二つの言葉を、心に刻み、学校生活を送って欲しいと思います。

 

次に、本日御列席下さいました保護者の皆様方にも一言申し延べさせていただければと思います。本日よりお子様を野田中央高校の生徒としてお預かりすることとなりました。この上は全力を挙げ、生徒一人ひとりの進路実現に向け、教職員一丸となって教育活動を展開してまいりますが、保護者の皆様方との連携、信頼関係の構築こそが、よりよい教育活動の展開に不可欠です。高い席からではございますが、これからの本校の教育活動に対し、何卒特段の御理解と御協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

 

この4月1日よりマスクを手放せなかった学校生活が変わっていきます。抜けるような青空が広がる日も多いこの季節、新入生のみなさんが、すがすがしい空気を胸いっぱいに吸いこみ、実り多い高校生活を送っていってくれることを心から祈り、私からの歓迎の言葉とさせていただきます。

 

令和5年4月7日

千葉県立野田中央高等学校

校長松田裕二

 


12:45