新型コロナウイルスによる緊急事態宣言がなされ、4月、5月と臨時休校が続きました。6月から学校が一応再開し、7月以降はほぼ平常に戻りつつありますが、感染症対策を十分にとった上でという条件付きのものであり、健康チェック、衛生面での配慮、授業形態の工夫など様々な制約、懸案事項を抱えています。また、行事については「全校生徒が一堂に会するもの」が禁止されているため、今回の終業式も放送で行うこととなりました。
皆さん全員と体育館での対面は叶いませんでしたが、6月以降、私は朝の昇降口で大勢の人とお目にかかっていますし、お昼時、1階の購買付近にも出没していました。また、授業中はなるべく皆さんの様子を見て回りたいと思っています。
私は国語の教員ですので、当然国語の授業はしっかり抑えておかねばなりません。そして、大学では日本史を専攻していたので、社会科にも興味があります。理数系は苦手でしたけれど、自分の理解できない難しそうな数学の問題をみんなが黒板で解いているのを見ると素直に「ほほぉ」と感心してしまいます。理科の実験を見るのも大好きです。英語は動きのある授業が多くて、クラス全体が生き生きと活動している様子を見ていると楽しくなります。
2学期には、体育の授業や家庭科や芸術の実習、部活動の様子などをもっと積極的に拝見したいと考えていますので、どうぞよろしくお願いします。
さて、先日、2年生の現代文の教科書を見る機会があったのですが、その中に精神科医で評論なども書いていらっしゃる香山リカさんの文章が載っていました。題名は「こんにちわ」という随想、エッセイです。「こんにちわ」という挨拶の言葉には、「場を和ませ、自分や相手の身体をほぐす力が秘められている」というものでした。
朝の昇降口で、私はコロナ対策の消毒液をシュワッとかけながら、「おはようございます」と挨拶をしています。多くの人が「おはようございます」とか「ありがとうございます」と返してくれるのですが、そのとき私は皆さんから「元気をもらっているな…」と感じています。挨拶っていうものは、上手く言えませんが、「エネルギーのお裾分け」という風に私は考えているのです。
ところで、挨拶のポイントって聞いたことがありますか。挨拶の「あ」は明るくの「あ」、「い」はいつもの「い」、「さ」は先に、相手より先にするの「さ」、「つ」は続けるの「つ」です。私はこれに「こ」をプラスしています。ただの挨拶よりワンランク上の「こあいさつ」です。「こあいさつ」の「こ」とは「心をこめて」の「こ」で、これが一番大切だと思うのです。
私は廊下などで先生方とすれ違うとき、「お疲れさまです」とこ挨拶をしています。皆さんともいろいろな場所で出会うと思いますが、ぜひ「こんにちわ」と、こ挨拶をかわしたいものですね。
明日から、ちょうど1カ月間の夏休みとなります。いろいろな課題が出ているはずですので、学ぶ意欲と学ぶ習慣を忘れず、計画的に机に向かい、着実に取り組むようにしてください。
また、夏休みは自分の裁量で沢山の時間を使うことができるはずです。今、世の中は大きく動いています。新型コロナウイルスの蔓延、大雨がもたらす自然災害など、様々なできごとが社会、そして経済を動かし、それは皆さんの将来、つまり卒業後の進路にも大きな影響を及ぼします。新聞、テレビ、インターネットなど様々な情報を通じて広く社会に目を向け、日本及び世界で今何が起こっているのか、世の中の動向を把握するようにしましょう。
夏休み中、制服を着ていなくても野田中央高校の生徒であることを自覚し、責任ある行動をとるようにしてください。何よりも健康に留意し、熱中症や感染症予防対策を忘れないでください。9月の始業式では、皆さん全員から元気な「こあいさつ」がいただけることを楽しみにしております。
メインの話は以上ですが、今回は特別に、「各学年へのメッセージ」をプラスして申し上げます。
まず1年生。今年は4月の部活動紹介ができなかったけれど、大勢の人が部活に入ってくれました。部活動はクラスを超えた仲間、学年を超えた先輩と知り合うチャンスです。これからでもまだ大丈夫、部活に入って、高校生活を充実させましょう。
次に2年生。11月の修学旅行を2月に延期しました。コロナが終息することを祈るばかりです。三泊四日の沖縄、私も楽しみにしています。但し、遊びに行くわけではありません。しっかりと事前研修を積み、いろいろなことを学んできましょう。
そして3年生。部活動の公式大会の中止のみならず、進学や就職においても、コロナの影響で、例年どおりにはいかない、大変な一年になってしまいました。先生方も全力を挙げて皆さんを応援しています。進路に向かって力一杯頑張りましょう。