令和4年度 長距離徒歩 開会式
生徒諸君、いよいよ長距離徒歩の日が近づいてきました。今日はそれに向けた注意点の説明だけでなく、長距離徒歩に向けて気持ちを作っていって欲しいとの思いから、開会式を開催します。
そもそも、長距離徒歩は本校の前身である野田北高校の開設初年度、昭和52年の10月2日に、当時の1年生6クラスの生徒全員で開催をされました。残念ながら途中から降りだした雨のため、途中で中止となってしまったようですが、昭和52年は私も高校生になった年であり、そのことだけでも随分前から行われている行事なのだということを実感してもらえると思います。
学校が完全に週休二日になって以降、様々な行事がどんどん行われなくなっていきましたので、修学旅行や文化祭・体育祭などのスタンダードな行事を除けばこれだけ長い歴史を持つ行事を実施している学校は恐らくそう多くはないでしょう。
長距離徒歩は40キロ弱の距離をただひたすら歩きます。普通の歩く速度であれば、休みなく歩いたとしても9時間から10時間かかる距離です。秋晴れの下、土手を吹き抜けるさわやかな風を感じながら歩いて欲しいところですが、のんびり景色を楽しんでばかりだと正直完歩は難しくなります。でも、そこにこそ、この伝統ある行事を行う意味があるのです。40キロもの道のりを、限られた時間の中で歩きとおす、ということは大変な苦労が伴います。でも、それをやり遂げた時に、おそらく今までには味わうことがなかった達成感を得られることは間違いないと思います。
そのやり遂げたという自信は体力勝負の場面だけではなく、あらゆる場面で必ず生きてきます。完歩できたということは、つらい状況にもくじけず、最後まで自分を奮い立たせ、あきらめなかった何よりの証拠だからです。そして、それは生徒諸君らがこれから長い人生を送っていくうえで、何よりもの財産になることは間違いないでしょう。学校を卒業して暫くたって、何かつらいことがあったときに、懐かしく思い出され、そして諸君らを勇気づける、それが長距離徒歩なのです。
学校に戻ってきたとき、PTAの方々がおいしい豚汁を用意してくれています。そのとき、足にできた靴擦れの痛みに耐えながらも、生徒諸君らの目が、大きなことを成し遂げた達成感で輝いていることを、心から期待しています。