いよいよ今日から新学年がスタートします。
四季の中でも、この春という季節は、生命の息吹く時です。皆さんにとって希望に満ちた春であるはずです。
さて、新しい学年、新しい学期を迎え、この-年間をどう過ごすか、決意も新たに始業式に臨んでいることと思います。毎年、新しい年度を迎える度に、「日々新たに」という言葉が想起され、自戒の言葉として思いを新たにしています。
三年生は、高校生活も最後の一年になります。勉強に部活動に有終の美をかざっていただきたいと思います。
二年生は、学校の中堅です。部活動や生徒会活動において、中心になって活躍しなければなりませんし、読書や勉強に励み、将来の進路について真剣に考えなければいけない時期です。
そこで学年の始めに当たり、3つのことをお願いします。
一つは、自分の目標をしっかり立て、その実現に向けて全力で努力してほしいということ。相撲の世界では「3年先の稽古」ということばがあります。粘り強く地道に厳しい稽古に励み、耐えられるもののみが成長できるという意味です。勉強でも、部活動でも具体的な目標を立てて、貪欲に努力してください。
二つ目は、規律ある生活態度を身につけてください。規律ある生活とは、きまり・ルールを守って、生活・行動することです。これは、生徒諸君の気品と学校全体の気品というか品格のために必要です。信頼されるためにも必要だと思います。
三つ目は「あそべか」を徹底しましょう。「あ」は、あいさつをしっかりしましょう。「そ」は、掃除をしっかりしましょう。学校内がきれいになって、自分の心も磨きましょう。「ベ」は、勉強をしっかりやりましょう。部活動や学校行事にも積極的に参加してほしい。「か」は、家族を始め周りの人に感謝の気持ちを持ちましょう。
ここで、ある小学生の作文を紹介したいと思います。
「ぼくの夢は、一流のプロ野球選手になることです。そのたには中学・高校と全国大会に出て活躍しなければなりません。活躍できるようになるためには練習が必要です。僕は三歳の時から練習を始めています。3歳から7歳までは半年くらい練習をやっていましたが、3年生の時から今までは365日中360日は厳しい練習をやっています。だから、1週間中で友達と遊べる時間は5,6時間です。そんなに練習をやっているのだから、必ずプロ野球の選手になれると思います。
そして、その球団は中日ドラゴンズか、西武ライオンズです。ドラフト入団で契約金は、1億円以上が目標です。僕が自信のあるのは投手か打撃です。去年の夏、全国大会に行きました。自分が大会ナンバーワン選手と確信でき、打撃では、4試合のうちホームラン3本を打ちました。打率は5割8分3厘でした。この調子でこれからもがんばります。そして、僕が一流の選手になって試合に出られるようになったら、お世話になった人に招待券を配って応援してもらうのも夢の一つです。とにかく-番大きな夢は野球選手になることです。」6年2組鈴木一郎
すでにおわかりだと思いますが、通算100号ホームランを西武ライオンズの松坂大輔投手から打ち、その後のインタビューで、「松坂から打てば絵になるから狙った」と答えています。後に大リーグで首位打者、盗塁王、24試合連続安打、オールスター史上初のランニングホームランなどの記録を持つ、イチローの小学6年の時の作文です。
この作文が夢を実現する上で大事なものは何かを語っていることも事実です。第一に自分の夢に対していささかも迷いがない。夢を素直に信じている。つまり夢に対して本気、本腰ということ。次に、自らの夢に対して代償を進んで支払おうとする気持ちが強い。365日中360日激しい練習。友達と遊ぶのは1週間で5、6時間という。そう言い切る言葉に少しの'悔いも未練もないということは、素晴らしいと思います。イチローは、甲子園に出場しましたが、初戦で負けましたが、夢を達成し、オリックスに入団しました。
その時に、記者から「野球の練習はすきですか」と聞かれ「そりゃ僕だって勉強や野球の練習は、嫌いですよ。誰だってそうじゃないですか。つらいし、大抵はつまらないことの繰り返し、でも、僕は子供の頃から、目標を持って努力することが好きなんです。だって、その努力が結果としてでるのは嬉しいじゃないですか」と語った。努力は裏切らないと思います。
中学校時代のイチローについても少し触れます。野球部に入り、朝は7時から朝練習し、夜は6時半まで部活動に専念し、その後、バッティングセンターで200球以上の打ち込みを欠かさずにこなしたそうです。イチローは、中学時代を振り返りこんな発言をしています。
「小学校ではあまり勉強をしなかったですけど、中学になって、それじゃマズイって、一生懸命勉強した。テストの点は取れました。でも、1番にはなれなかった。学年で7番とか8番にはなれても、決して1番になれなかった。それで勉強あきらめましたよ。僕」
そして、最後に、お世話になった人に対して報いるという報恩の心を持っていることです。夢を持ち、その夢を実現すべく燃えたことができるのは、全生物の中でも人間だけです。天から授かったこの能力をフルに発揮する人生を送りたいものだと思います。
今、地域の方からからの本校に対する評価は、非常に高いものがあります。これまでの多くの先輩によって築かれたものであります。
君たちによって更に発展させていただきたい。新入生と力を合わせて本校をより一層素晴らしい学校とするよう期待しております。
もう一度言います。
①自分の目標をしっかり立て、努力してください。
②規律ある態度を身につけてください。
③「あそべか」を徹底しましょう。
この一年間、しっかり学び、スポーツや文化的なことに取り組み、多くの友情を育て、自分らしさを創り出してください。
自分に自信と誇りが持てるよう頑張ることを願って始業式の言葉とします。