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2014/01/07

第3学期始業式あいさつ

| by サイト管理者
 明けましておめでとうございます。

 新しい年が始まりました。今年は午(うま)年です。活発で元気な年であります。熱き心で発展飛躍する年となります。皆さんの発展飛躍を期待します。

 今日7日は、七草粥を食べる風習の日です。七つの野菜が入ったお粥を食べると万病に効きます。おせち料理で疲れた胃を休め、野菜が乏しい冬場に不足しがちな栄養を補うことができるためです。セリ、ナズナ、ゴ(オ)ギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの七種類です。ぜひ食べてください。
 さて、この冬休みはいかがだったでしょうか。皆さん一人ひとりが冬季休業中に、1年の反省をし、新しい年の決意をしたことと思います。

  また、ほとんどの人が初詣に行ったことと思います。何を願い祈ってきたのでしょうか。一人ひとりがいろんな願いをしたでしょう。しかし、ただ祈るだけではいけません。地についた対応です。本気の執念です。願いが叶うよう祈っています。
  ところで、君たちはこの正月、どのような目標を立てましたか。3日坊主という言葉があるように、目標の実現はなかなか難しい。しかし、それなくして進歩はありません。目標もそれが習慣化すると意外にたやすくできるものです。そこで、年の初めにあたり習慣ということについて話をします。人間は習慣の生き物と言われています。いかにすばらしい言動が取れても、単発で終わっているのではだめです。それは習慣化されなければ何にもなりません。

 習慣には、「行動の習慣」「考え方の習慣」の2つがあります。
 まず、「行動の習慣」は、朝何時に起きるかとか、食事の後は歯を磨くといった、毎日の行動の中で繰り返し行う行為に相当するものです。勉強について言えば、必ず英語の予習をする、毎日何時間勉強するといったように、ほとんどが「行動の習慣」です。実は人間の身体はこうした「行動の習慣」が身に付いてはじめて、うまく機能できるようになっているのです。いい例が脳の記憶の仕組みです。記憶には短期記憶と長期記憶があることがわかっています。短期記憶というのは脳の海馬と呼ばれる組織にためられる記憶で1~2週間、長くても1ヶ月しか覚えられません。一方、長期記憶とい
うのは大脳皮質にしまわれる記憶で、ここにきちんとしまわれれば10年、20年、場合によっては死ぬまで残すことができます。海馬に取りあえず収納された短期記憶は、海馬が記憶される情報の重要性について約30日かけて判断したあと、重要と判断された記憶は大脳皮質に送られて長期記憶となり、そうでない記憶はそのまま破棄されるのです。

 海馬は何に基づいて記憶の重要性を判断するのかというと、一つは、記憶に対する頻度です。30日間に一度も使われない情報は重要性がないと思われます。そのためには何度も何度も大事であることを訴えることが大切です。そこで必要になるのが復習という行為です。普通、短期記憶は4時間で約半分忘れ、翌日になると4分の1程度しか覚えていません。そこで、2回、3回と復習を繰り返せば、重要性を訴えることになり長期記憶に移ります。ただし、短期記憶は30日が限度なのでそれまでに行う必要があります。例えば、単語の勉強は毎日新しい単語ばかりを覚えるのでなく、新しい単語と昨日覚えた単語の復習を組み合わせれば効果的です。

 短期記憶の重要性を判断するもうひとつの要素は、記憶が入力されるときの手段です。情報の入力が、例えば単に視覚情報だけの場合より、視覚と聴覚の2つの手段で入力された方が、海馬はその情報を重要性と認識します。具体的には、単語を覚えるとき単に見て覚えるだけよりも、書きながら、つぶやきながら覚える方がはるかに効果的です。テレビを見ながらの勉強は論外。以上のことを踏まえ、学習の習慣づけの重要さをしっかり認識して欲しいと思います。

  次に「考え方の習慣」について。これは、例えば「物事を悲観的に捉える」「楽観的に捉える」といった考えかたのくせのようなものです。具体的には「人にされて嫌なことはするな」「相手の立場に立って考えよう」「論理的に考えよう」といった「心構え」ともいえるようなものにあたります。先ほど述べた「行動の習慣」は、表面に現れやすいのでよくわかるし、それが守られてなければ周囲から注意されることもあり、比較的習慣化しやすいでしょう。しかし「考え方の習慣」となると、自分ではわかりにくいし、直接、指摘されることも少ないのです。

  これを習慣化するためには、そうした心構えを書いて、常に目に付くところに貼っておくことが最も効果的です。世の中に目標やスローガンがあるのは、まさにそのためです。これを実践しているのが、野球選手で、「一休入魂」や「目指せ甲子園」等をグラブやユニフォームに書いています。各自が自分の心構えを机の上や、ノート、手帳など目に付くところに書いておき、心に刷り込んでいくことが大切です。また、自分の尊敬する人、あこがれる人を真似るのも有効です。「考え方の習慣」を身につけるためには最初は意識して行わなければならないのですが、そのうちに慣れてきます。

  最後に、3学期は、学年の締めくくりの学期であり、本当に乗り越えなくてはならないハードルがたくさんあります。「終わりよければ全て良し」「有終の美を飾る」という言葉がありますが、3年生は進路決定、そして、卒業がそれに当たります。1・2年生は進級です。強い意志を持って乗り超えて行くことに期待します。進路の決まった人は、進路に見合った勉強、読書などをして、学習意欲が下がらないように。 

 再度言います。「行動の習慣」「考え方の習慣」を実行してください。
12:37