令和3年度1学期終業式式辞 令和3年7月20日
体育館で皆さんと顔を合わせての終業式ができることを期待していましたが、東京都に4度目の緊急事態宣言が発令され、千葉県も来月の8月22日までまん延防止等重点措置が延長となりました。いよいよオリンピックの開幕間近ですが、コロナの感染者は急増しており、感染症対策を緩めるわけにはいきませんので、今回も放送による終業式といたします。
今日は題名を付けてみました。「心と身体に栄養を取ろう」という話をします。
最近、校長の富樫は地味だなぁ、黒っぽいものばかり着ているなと感じている人がもしかしたらいらっしゃるかもしれません。気が付いた人、鋭い観察眼をお持ちですね。私事で恐縮ですが、実は5月の終わりに私の夫が亡くなりました。コロナではありませんが、4月の中頃から入院していて、約一カ月半、病院で息を引き取りました。うちは子供がいないので二人だけの家族で30年以上暮らしてきました。今は一人きりです。頑張っていつもどおりの食事をしているつもりですが、少し痩せてしまいました。
人間の心と身体というものは別々ではなくて、心が弱っていると身体にも様々な影響が出てくるのだなぁということを身に染みて感じました。6月に体育の齋藤先生が1年3組で行った保健の研究授業で、「食事と健康」というところを見せていただき、健康を維持するため、「食べることの大切さ」というお話を伺いながら、自分もいろいろ考えたのですが、お肉とかお魚とか卵とか生きるために欠かせないたんぱく質などは他の動物・生き物の命をもらっているわけであり、また一切れのパンにしても大勢の人々の手を通して作り上げられたものなのだから、食べることは本当に、まさに「いただきます」であり、食べ物を絶対に粗末にしてはならないと痛感しました。
食べられることに感謝して、食べるときは「いただきます」という気持ちを持ち続けたいものですね。
お腹がすくとイライラしたり気持ちが落ち込んだりしますし、好きなもの、美味しいものを食べると「幸せ…、生きててよかった」なんて思えます。こうして食べ物は、心にも身体にも栄養を与えてくれるわけですが、心を満たすための栄養は食べ物ばかりとは限りません。いい音楽を聴いたり、本や映画、またスポーツなど様々な体験から得る喜び、感動も心の栄養補給に大いに役立っていると思います。
新型コロナウイルスの影響で待ちに待った東京五輪・オリンピックは、首都圏会場をはじめ多くの会場において無観客開催が決定しました。しかしながら、テレビ等の映像に映し出されたアスリートたちの活躍を通して、その熱気を感じ取り、感動を味わうことがきっとできることでしょう。夏休みは時間的余裕がありますから、各自で自分なりの計画を立てて、様々なことにチャレンジできるはずです。心の栄養補給を意識して、心を豊かにするような経験・体験を心掛けてみてください。
さて、夫が亡くなった後、家ではまだくよくよしがちなのですが、こうして学校に来て、大勢の皆さんと顔を合わせて、先生方と一緒に過ごしていると、ああエネルギーをいただいているな、着実に心の栄養補給ができているなって感じております。
以前から私は、「こあいさつはエネルギーのお裾分け」という話をしていますが、
こあいさつの「こ」は心をこめて、あいさつの「あ」は明るく、あいさつの「い」はいつも、「さ」は先に、相手よりも先に率先して挨拶、そして「つ」は続けるです。
皆さんからの「こあいさつ」で私は確実に元気をもらっています。心の栄養補給に一番いいのは、人とのふれあい、コミュニケーションによって心に注がれる何か「あたたかいもの」そんな気がしてなりません。
猛暑の中、マスクの日々が続いています。長い夏休み期間中、たとえ制服を着ていなくても野田中央高校の生徒であることを自覚し、責任ある行動をとるようにしてください。そして何よりも心と身体の健康に留意しましょう。熱中症や感染症予防対策を絶対に忘れずに。9月の始業式では、皆さん全員と再びお目にかかることを楽しみにしております。