令和3年度第2学期始業式式辞 令和3年9月1日
夏休み中、東京五輪の開催最中の8月2日に、千葉県にも三度目の緊急事態宣言が発令されました。感染力が非常に強いデルタ株の割合が高まり、首都圏を中心に感染者数が激増、それが全国へも波及する中、保健所や医療現場では非常に厳しい状況が現在も続いています。
人の流れを抑えるために、皆さんの夏休み中の活動にも様々な制限を加えざるを得なくなりました。不要不急の外出は控えるという指示を守って、家で長い時間を過ごす間、テレビでオリンピックやパラリンピックを観ていたという人も多かったのではないでしょうか。
私はそれほど熱心に観戦していたわけではありませんが、緊急事態宣言発令翌日の8月3日、夜7時のNHKニュースの後、チャンネルをそのままにしていたら、体操男子個人の最後の種目に当たる鉄棒が始まり、千葉県出身の橋本大輝選手の演技を「きれいだなぁ、パーフェクトだなぁ」と思っているうちに、金メダルという快挙となって、そのままテレビに釘付けになりました。国旗が掲揚され、国歌が流れる中、橋本選手の目に光るものをみたときは胸が一杯になって、映像を通して得る感動というものを味わうことができました。
テレビの画面で、激しく競い合った選手同士が勝負の後、抱き合って互いの健闘を称え合うというシーンも何度も観ました。そして沢山の競技で沢山の勝敗が決まってゆく中、勝っても負けてもメダルを取っても取れなくとも、最後のインタビューで語る選手たちは、勝利を自分だけのものにせず、自分を支えてくれた大勢の人々への感謝の気持ちを伝えていたことが、特に心に残っています。
しかしながら、その一方でコロナウイルスが猛威をふるい、国内の感染者数の増加に歯止めがかからず、医療現場が逼迫している、ギリギリの状態であるという厳しい現実がありました。夏休みに入った直後に複数の県立高校で部活動を中心としたクラスターが発生したという新聞報道がありましたが、1学期中は一人も感染した人がいなかった野田中央も、夏休み中には各学年複数の陽性者が出ました。
本校で陽性となった人のほとんどは家庭内感染で、学校における濃厚接触者はいなかったことから、夏休み中の休校や全ての活動の即時停止という事態は免れたものの、県からの通知により、県立高校においては9月12日の緊急事態宣言解除のときまで、部活動は大会参加等を除き原則停止となっています。全国の重症患者の方の人数がまだ増え続けている中、果たして9月12日で本当に解除となるのかも危ぶまれる状況です。
2学期以降は、これまで以上に気を引き締めて感染症対策に取り組みます。なぜなら現在流行中のデルタ株は今までのものとは比べ物にならない強い感染力を持っているからです。また、10代、20代の若者の感染者の割合が圧倒的に高まっています。
8月中旬以降、千葉県内でも連日1000人を超える新規感染者が出る中、保健所の対応が追い付かず、たとえ家族の中で陽性者が出たとしても同居する家族はすぐにPCR検査を受けられないそうです。病床確保が難しく入院先が決まらない、自宅療養をしなければならないケースが非常に多くなりました。ワクチンの接種は少しずつ広がってはいるものの、ワクチンを打ったから絶対感染しないといいきれないのがコロナの恐ろしさです。
そこで、皆さんに徹底していただきたいのは、やはり基本中の基本とも言えるマスクの着用です。自分の身を守るため、人に迷惑をかけないため、まだまだ暑い中大変ですがマスクの着用をお願いします。話をするときは必ずマスク、食事中は「沈黙の時間」とし、ちょっと何か食べるとき、水分補給で飲むときも絶対にしゃべらない、ぜひこれを徹底してください。
去年の1月、校長室のところに小さなマスクの神様が登場しました。皆さんがマスクをつけることを応援するため、マスクの神様・第二弾としてうちのわんこを登場させました。昇降口付近で皆さんにマスク着用のメッセージを呼び掛けています。私は授業も行事も部活動も大切にしていきたいと考えています。コロナと戦い、野田中央高校の日常を守るためには、皆さん全員の協力が必要です。
2学期は、文化祭をはじめ、多くの行事が予定されています。コロナの感染防止を第一に掲げ、緊張感をもって取り組んでください。まずは、自分自身でしっかりと体調管理をすること。デルタ株の特徴は発熱症状です。熱があり少しでも調子が悪いときや家族に具合が悪い人がいるような場合は、登校を控えて必ず学校に連絡を入れてください。そして、「マスク、消毒・手洗い、ソーシャルディスタンス」を絶対に忘れないようにしてください。以上です。