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2023/03/07

令和4年度卒業式 式辞

| by 職員0501

式辞

 

木々の芽も、日ごとにふくらみ、春の訪れを覚える今日の佳き日に、野田市立北部中学校校長関しのぶ様、PTA会長横森亜紀子様、本校同窓会長木名瀬訓光(くにみつ)様をはじめ、御来賓の皆様の御臨席を賜り、ここに、第17回卒業式を盛大に挙行できますことは、卒業生・在校生はもとより、私たち教職員にとりましても、大きな喜びであり、厚く御礼申し上げます。

また、ご列席いただきました保護者の皆様、御子様の御卒業を、心からお祝い申し上げます。十代後半という思春期、人生で最も心揺れ動く高校三年間を、暖かく見守り、励まし続けてこられた保護者の皆様に、敬意を表しますとともに、これまでの、本校の教育活動に御協力を賜りましたこと、改めて御礼申し上げます。

 

ただ今、卒業証書を手にし、この野田中央高校を巣立っていく卒業生諸君卒業おめでとう。みなさんは、昨年春に着任した私にとって、「野中とは?」ということを身をもって示してくれた、私にとってみれば、いわば先輩のような存在でありました。最高学年として、後輩の模範として、部活動や様々な学校行事で示してくれたその雄姿は今でも目に焼き付いています。

 

そんな諸君らの本校での高校生活は残念ながら順調な滑り出しではありませんでした。本来であれば、これから始まる高校生活に胸を躍らせ、友達をたくさん作ろうと意気込む4月も、登校できたのは入学式のわずか一日だけ。顔と名前が一致するどころか、ほとんど会話をすることなく不安な気持ちで学校をあとにしたのではないでしょうか。当時、私は他の高校にいましたが、生徒の歓声も、躍動する姿も絶え、雨風で一つの足跡すら残さぬほどに砂漠化したグラウンドを見て、終末世界に紛れ込んでしまったような気すらしたものでした。やっと学校が始まっても、まともに部活動もできず、行事は中止続き。楽しみにしていた修学旅行も一泊二日になってしまいました。

 

そういった逆境にもめげず、諸君らは、様々な場面で本当によく頑張ってくれたと思います。なかでも記憶に残っているのは、体育祭の時の応援団の演武でした。コロナで途切れそうになった本校の目玉行事の伝統を、よく受け継ぎ、次の代につなげてくれた功績は、本当に大きかったと思います。これまで長い歴史を形作ってきた野中の先輩方や、在校生に代わって、感謝の言葉を贈りたいと思います。

感謝の言葉といえば、いま、昇降口前には、卒業生諸君のいろいろな人に対する感謝の言葉が掲示されていますね。コロナに翻弄された3年間を過ごし、当たり前が当たり前でなくありがたいもの、感謝すべきものと身をもって体験した諸君らの言葉は胸に響くものがありました。友達や先生がた、そして御家族への感謝の言葉。身近にありすぎて当たり前のように思ってしまうものを、この卒業という節目でもう一度振り返ってください。そして、少し照れると思いますが、是非その思いを口に出してみてください。身近な存在を互いを大切に思い、感謝しあう。それがこれからの長い人生で一番大切なものなのですから。

さて、ここにいる多くの諸君が4月から人生の新しいステージに立つことになります。まだ見ぬ新しい世界への期待に胸を弾ませている人も多いでしょう。それは、もちろん制服からの解放というだけでなく、例えば選挙権が与えられたり、成年年齢となることでの、法律上の様々な制約からの解放だったり、社会的な位置づけの変更に裏打ちされるものだと思います。これからは、親や先生たちが引いてきたレールに、自分で作り、考えたレールを継いでいくということになるわけです。明日から始まる新しいステージにおいて、自らが考え、自らが目指すゴールに向けレールを紡いでいって欲しいと思います。

ただ、新しいステージに立つ、ということは高校生という免罪符からの卒業も意味します。このことを忘れず、成年にふさわしい思慮深さも持って4月からの新しい生活を楽しんでいって欲しいと思います。

さぁ、卒業生諸君、いよいよ船出の時です。私の願いは、こののちゅうでの思い出を、一日も早く忘れて欲しいということです。本校での記憶を、遠い過去のものにできるということは、新しい世界に自分の居場所を見つけ、これからを生きていきていくことに他ならないからです。本校での3年間で積み上げた様々なメモリーを、一日も早く、胸躍り、魅力あふれる新しい記憶で上書きしてください。これが私からの最後のメッセージです。

 

まさに、激動ともいえるこれからの人生を送る諸君らの未来が栄えある光にあふれていることを心より願い、私からのはなむけの言葉とします。

 

令和5年3月7日

 

千葉県立野田中央高等学校

校長松田裕二

 

 

 


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