令和3年度3学期始業式式辞 令和4年1月7日
年末年始を挟み約2週間の冬休みが終わりました。昨日の雪にも負けず、厳しい寒さの中、皆さんが元気な姿で登校する様子を見てほっとしております。しかしながら、新型コロナウイルスに関しては、オミクロン株の影響で急激な感染の拡大が懸念されている状況です。誠に残念ではありますが3学期の始業式も放送で行い、私の宿題の確認も見送ることとしました。皆さんの健康と安全を守るために、今後も気を緩めず、しっかりとコロナ対策に取り組みますので、どうぞよろしくお願いいたします。
3学期の始めに当たり、私からは「授業について」お話しをします。
11月の終わりごろ、近くの七光台小学校の2年生10名が本校に探検にやってきました。滞在時間は30分程度と言われていたので、授業は1階の3年生のクラスと、被服室でエプロンを作っていた2年4組しか見せることができなかったのですが、子どもたちは初めて足を踏み入れる高等学校に興味津々だったようです。
職員玄関でいきなり「本日はお忙しい中、どうもありがとうございます。」と声を揃えた元気一杯の挨拶がありました。学校への質問も用意されていて、「お兄さん、お姉さん、先生は全部で何人いますか」という質問に対し、お兄さんは354人、お姉さんは583人、これをすかさず教頭先生がホワイトボードに書いて、「さて合わせて何人でしょう、足し算をしてみましょう」と言うと、「はい」「はい」と手が挙がって、937人と得意そうに答える子がいました。「それに先生方(事務室含む)68人を足すと何人でしょう」と言うと、突然、2000人という突拍子もない声があがり、違うよーとひとしきりワヤワヤした後、1005人という正解が出て、「千人超えるんだ、すごーい」と大騒ぎでした。
他にも、一番人気のある教科とか部活動とかを聞かれたり、「お兄さん、お姉さんは休み時間に何をしているんですか」という質問があって、私は「授業の準備をしています。それからみんなと同じようにトイレに行ったり、お友達とおしゃべりをしているんですよ」と言ったら、スマホーという声が聞こえてきたのには思わず笑ってしまいました。子どもたちはみんな一生懸命でした。「どうなっているんだろう」「なぜなんだろう」という瑞々しい知的好奇心に溢れていました。これが勉強の第一歩なのだなとそのとき感じた次第です。
2学期は教育実習生も来ましたし、先生方の研究授業も何度か行われました。そして、普段、時々私は皆さんに気づかれないように授業の様子を外から窺っています。先生方の授業は、皆さんが生きていく上で、いつかきっと役に立つものを知ってもらいたい、身に付けてもらいたいという視点で貫かれています。特に社会や理科、保健、情報、家庭科などの授業は、即戦力というか、これを学んでおかなければ社会に出て困るに違いないという内容が盛りだくさんとなっています。また、私は国語の教員ですが、国語という教科も様々な教材をとおして「人間の考え方、生き方を学ぶ」学問であると思っています。
3学期の授業は1年間の総仕上げです。1時間1時間を大切にして真剣勝負で授業に取り組みましょう。授業に集中するコツとして、私は「授業はサンタで頑張る」ということを提案します。「授業で勝負、授業はサンタ」です。いったい何を言っているのか、これから説明しますのでよーく聞いてください。
サンタの「さ」は「参加する」のさです。これが一番の基本です。でも、時々授業中、居眠りをしたり、自分だけの世界に入ってしまう人など、ドロップアウトしてしまった人を見かけることがあります。まずは50分間しっかり参加すること、これがベースです。
2つめの「ん」、は「うんうん」と頷くこと、相槌を打つことです。授業中には先生の説明があります。またグループワークなどで話し合う場面もあります。オーバーアクションでもかまわない、理解したら積極的にうんうんと頷き返していると、格段に集中力がアップするはずです。
3つめの「た」は楽しむことです。勉強を嫌なこと、苦痛と考えないで、興味津々で楽しむこと。これが一番難しいかもしれません。勉強に対する苦手意識は誰しもが持っているものだと思うから。でも勉強して学んで、それを自分のものにすることによって確実に世界は広がっていくのです。英単語を1つ憶えて、その単語を自由に使えるようになったら、その分だけ自由になれる、世界が広がることになると認識してください。瑞々しい知的好奇心をいつまでも持ち続けていきましょう。
来週から授業が始まります。3学期は僅か3ケ月、あっという間です。3年生は実質1ケ月もありません。そしてまたしても猛威を振るうであろうコロナ禍の中、1日1日を大切に積み上げるためにも、授業を「サンタ」で頑張りましょう。