令和三年度 第十六回卒業証書授与式 式辞
寒い日暖かい日を繰り返しながらも、着実に春の訪れが感じられるようになりました。本来であれば来賓をお迎えし、在校生も参加しての式典となるはずですが、感染症対策の中、このような形での式の挙行を申し訳なく思っております。
ただ今、卒業証書を授与した三百十四名の皆さん、御卒業おめでとうございます。
今日の日を迎えられたことは、我々教職員一同にとってもこの上ない喜びです。クラス担任、学年関係、教科担当、そして部活動顧問など、関わり方はそれぞれでしたが、皆さんが本校に入学し、大勢の仲間と共に積み重ねた高校生活の様々な場面を、今、改めて思い浮かべつつ、「頑張ったね」と心から讃えたいと思います。
また、三年間の日々を見守り続けながら、本校の教育活動に対し御理解、御協力くださった保護者の皆様に心より感謝申し上げます。
令和の時代、日本はグローバル化、デジタル化、少子高齢化など大きな社会変動のただ中にあります。さらに、二年以上続く新型コロナウイルスの蔓延が、全世界を未曽有の事態に巻き込みました。本校においても臨時休校、行事の制限、部活動の自粛や大会の中止、そして修学旅行も実施できなかったことが残念でなりません。
長期に渡る困難な状況の中で、三年生の進路、将来への影響が何よりも懸念されておりました。それでも皆さんは各自の精一杯の努力と先生方の支援とで、自らの進路を切り拓いてくれました。
時代の先行きは不透明です。しかしながら、皆さんは逞しく生き抜いて、社会の担い手となり、日本を支えてゆかねばなりません。時代のうねりを見据え、教育界でも大きな改革が進められています。暗記による知識の蓄積よりも、思考力や表現力、論理的に物事を考え判断する力が、今、求められています。
皆さんは、優しく素直で先生方の指導によく従ってくれましたが、ともすれば指示待ち、受け身的な傾向があると言わざるを得ません。積極的に自ら課題を見つけ、自分の頭で考え、解決する力を身に付けなければ、激動の時代を生き抜くことは難しいのです。
これまで私は学期の節目の式辞でいろいろな話をして来ました。例えば、「こあいさつ」「読書のすすめ」「授業はサンタ」など覚えていますか。その繰り返しになりますが、私は、皆さんに勉強を好きになってもらいたいと思います。生きるために、人間一生涯、学ぶことは欠かせません。学業も仕事も学ばなければ一つ上の段階には登れない。主体的に学び、それを自分のものにすることによって、少しずつ確実に世界は広がっていきます。
最後に贈る言葉として、本校、野田中央高校の校訓「自律、理知、情熱」を捧げます。ここには人として生きていく上で必要なことが凝縮されています。本日、最後に校門を出るとき、ぜひ、この校訓が刻まれた昇降口前のモニュメントを見ていってください。そして、この言葉を胸に、本校を巣立ち、社会へと羽ばたいてください。
結びに、卒業生の皆さんが前途洋々たる人生をしっかりと歩んでゆかれることを心から期待し、式辞といたします。
令和4年3月8日
千葉県立野田中央高等学校
校長 富 樫 明 子